子どもの頃、夏休みになると母親の実家(田舎)に行ってお盆過ぎまで過ごしていました。
同い年の従弟と毎日遊びまくってました。
祖父も健在で、よく遊んでくれたものでした。
その祖父や伯父や伯母(親もですが)からいつもきつく言われていたことがあります。
それは、13日~16日のお盆の間は絶対に川や海で遊ばないことと釣りなどの「生きものを殺生すること」を絶対にしてはいけないという事でした。
特に、川で遊ぶことは絶対禁止でした。
それは、13日は「迎え盆」と言って、仏さんが川を伝って帰ってこられ、家に帰ることができない仏さんはお盆の間中川に留まっていると言うのです。15日は、家に帰って休んでいた仏さんが、生前にゆかりのあった場所を訪ねるために川を伝って旅に出られるそうで、この日は仏壇に握り飯を供えてました。そして、16日の送り盆は、仏さんが川を伝ってあの世に帰られると・・。
お盆の間は、とにかく仏さんが川を出たり入ったりされるし、家に帰れない仏さんがさまよっている。
そんな時に川や海で遊んでいると、特にさまよっている仏さんが寂しさを埋めるために足を引っ張って連れて行こうとするから、川に入るな海に入るなと言うのです。
ことさら、伯父は本当に真顔で説いていました。
と言うのも、伯父が子どもの頃に親の言いつけを無視して友達とこっそり川遊びに行った時、いつも遊んでいる川なので、浅瀬も深みもわかっている筈なのに突然溺れたことがあったと言うのです。その時、何かに足を掴まれて引っ張られる感じがして足を見ると、数本の手が足首を掴んでいるのが見えたのをはっきりと覚えていると・・。
通りかかった近所のおじさんに助けられて・・・でも、一緒にいた友達(自分を助けてくれたおじさんの息子)は川底に沈んでいるのを発見されて、意識不明のまま長い事入院して・・でも、何とか意識を取り戻して助かったんだって言ってました。
毎年、怪談話のように聞かされていました。
そんな話とともに、お盆は帰ってこられた仏さん(ご先祖様)をおもてなしして過ごすもので、そのための作法を教わり、従弟とせっせと手伝ったものです。
こう言う事は、田舎の人はかたくなに守っていましたが、都会から帰ってくる親戚は「そんなの迷信だ」と言ってせっかくの盆休みを海や川で遊んでましたが(笑)
うらやましかったけれど、私たちはしっかりと教えを守ってました。
そして、わが子にも同じように言い聞かせてました。
現職時代、やはりお盆は水難事故に出動したことが多いと感じたことはありました。ただ、全国的な統計でどうなのか・・調べたことはありませんが・・。
ただ、一件・・忘れることのできないことが・・
30年も前のお盆の15日、海水浴中に溺れて心肺停止となった若者を救急搬送した時のこと。結果、病院で死亡が確認されたのですが、駆けつけた若者の親御さんが「今日はおばあちゃんの命日だから家に居ろと言っていたのに、墓参りもせずに海に入ったりするからこんなことになったんだ!」と泣き崩れる姿とその横で「僕が誘ったんです。許してください」と土下座する友達の姿が目に焼き付き、声が耳に残っています。

様々な考え方はあるのでしょうが、仏教で先祖をお祀りしている者として、お盆の過ごし方、在り方として親父は心に刻んでいます。
やっぱり、こう言う事って、ご先祖が言い伝えているってことは何かあるんだと思います。
究極の統計に基づく教訓なんじゃないかって思うんです。

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